住宅に侵入する泥棒には、「空き巣」「忍び込み」「居空き」の3種類があります。
留守宅に侵入する「空き巣」が最も多いのは事実ですが、逆に、「忍び込み」と「居空き」といった在宅時の侵入による被害が25%を超えていることも見落としてはならない大変重要な点です。
在宅中は、油断して窓を開けっ放しにしたりすることも多く、そのような隙が狙われます。さらに万が一、泥棒と鉢合わせになった場合は、命に危険が及ぶ可能性がある為、在宅時の防犯対策は特に重要です。
一戸建て住宅の場合、侵入手段は、無施錠とガラス破りで全体の実に約84%を占めています。
侵入口は、窓が全体の約60%を占めています。1階の目につく窓だけでなく、換気や湿気取りで開けているトイレや浴室などの小さな窓からも侵入してきます。
また、2・3階へは、配管や雨どいを上ってきたり、電柱や隣の塀、樹木などを足場にして容易に侵入してくることもあります。
泥棒が侵入してから物色して盗みを終えるまでの平均所要時間は、実に5分以内と驚くべき短時間です。
近所の人との立ち話やちょっとした買い物などすぐに戻るからと思い、カギをかけずに家を離れるときなど、泥棒はそんな隙を狙っています。
被害が最も多いのは深夜ですが、留守になりがちな10時~16時の時間帯でも多いのが実情です。
また在宅時でも、夕食後の家族団欒のように家族全員が1階の居間に集まっているときなども十分注意が必要です。
泥棒は狙った家はあらかじめ入念に観察しているのですから、ほんのちょっとした隙を見逃すはずはありません。
泥棒の服装も昔と今では大違いです。帽子、サングラス、マスクといったもので人相を隠している泥棒もほとんどいません。目立たず周囲の環境に合った服装の為、ほとんどの人は泥棒とは気づかないことが多いのです。
たとえば、スーツを着た営業マン、作業服を着て工具も持参している電気・ガス工事業者・宅配業者、さらに普段着を着た住人や通行人など、どこでも目にする雰囲気を装い、近所の人に見られても不審に思われないように装っています。
泥棒は偶然通りかかった家に侵入することはほとんどなく、時間をかけて下見をし綿密な計画を立ててから犯行に及びます。
その家の家族構成、生活パターンはもちろんのこと、建物の構造や死角となる場所、周辺の状況、警察署の有無など、最低でも1週間は下見を行い、その機会をじっと待っているのです。
泥棒が下見をする際の主なポイントは以下の通りです。
当然のことながら泥棒は、誰にも見つからず捕まらないで確実に盗みたいと思っていますので、用意周到に下見をして決して焦らず犯行に及びます。しかし、実際の犯行中には、常に人に見られていないか、誰かに警察に通報されていないかなどいろんなことを心配している為、極度の緊張状態になっています。
ですので、そんな緊張状態の中でもし誰かと鉢合わせになったら、泥棒はパニックになり、どんな行動にでるか。いわゆる居直りと呼ばれるもので、場合によっては、窃盗から強盗や殺人に発展してしまうこともあり、一瞬で最も危険な状況になってしまいます。
人に見られる、怪しまれる
犯行の直前に声をかけられたり、通行人から不審者を見る様な目で見られたりすることを嫌います。近隣住民や通行人が警察に連絡するのではないかと思うからです。
侵入に5分以上かかる
警視庁が実施した泥棒意識調査によると、カギを開けたりして侵入する際、補助錠がついているなどで、開けるのに5分以上かかってしまう場合はあきらめることが多いという結果がでています。長い時間であれば、当然ひと目につきやすくなります。
防犯システムが設置されている
極度の緊張状態にある泥棒にとっては、家に近づくと突然ライトがつき真っ暗の中で照らされたり、さらに犯行に及ぶまさにそのときに、警報ベルやサイレンが鳴ったりしたら、これほど驚くことはないでしょう。 一瞬にして周囲から見られる可能性が極めて高くなるわけですから、最大の退散効果 があると言われています。また、周囲から目立つところに防犯ステッカーを貼り、防犯システムを設置していることを意思表示することが重要です。建物に侵入される前に泥棒に気付かせ、狙いの対象からはずさせることで被害を未然に防ぐことができる効果があります。